ホーム業務内容相談室セミナー講師派遣ふぁみりお出版物リンク


◆平成家族考 35


 子どもは、親の離婚をどう受けとめ、どのような影響を受けるのでしょうか。 当センターでは、昨年度、標記の研究に独立行政法人福祉医療機構の研究助成を受け、この課題に真正面から取り組み、 離婚を体験した親と子どもたちの声を聴くことができました。去る3月に報告書が完成し、 子どもや家族の福祉に関わる仕事をしている相談機関、団体、図書館等に配布しましたが、この報告書が、離婚を新たな視点で見直す契機となることを願っています。
 本号では、この報告書の一部(面会交流及び養育費については省略)を紹介し、離婚を経験した親と子どもたちの生々しい声から、 親と子どもたちは、離婚をどう受けとめ、どう乗り越えているのかを感じ取っていただきたいと思います。 そして、やむを得ず離婚を考慮せざるを得ないとき、親は子どもの幸せのために最小限どのようなことを配慮する必要があるのかを知ってほしいと思います。
 なお、この研究報告書は、近々に増刷して頒布する予定です。

調査研究の方法等
 調査対象者は,離婚を経験した親と親の離婚を経験した子どもで,@当センターのホームぺージに掲載した研究紹介と調査対象者としての協力要請,A朝日新聞及び日経新聞での研究紹介, B親権者の指定に関する民事鑑定を行った鑑定人の紹介,などを通じて,この研究の趣旨を知り,調査への協力を申し出た方々です。別途、参考調査も行いましたが、ここでは省略します。


 調査方法は,56人が面接調査,19人がアンケートへの回答,122人がホームページへの書き込みによる調査です。回答したのは,親が101人,子どもが96人です。 親の年齢は30〜40代がほとんどです。子どもの年齢は,10〜30代がほとんどですが,70代,80代の人もいて,幼いころ親が離婚したときの悲しみとその後の苦難の人生を話してくれました。


第1 離婚に際しての子どもへの配慮

親の声から

(1)離婚の説明と子どもの反応

 離婚について、親が子どもに説明をしているのは,101人中71人(70%)で,説明をしなかったという親は28人(28%)です。
(2) 説明をしなかった理由
 子どもの年齢が低い場合は,「子どもが小さいので話してもよく分からないと思って」が多く,ほとんどが子どもが理解できるようになるのを待って親の方から説明したり,子どもの質問に答える形で説明しています。  子どもの年齢が高い場合は,「親権で争ったので子どもは承知していた」,「明確な離婚理由を説明するのが難しくてできなかった」等が挙げられています。 その中で親は「話してどの程度理解できるか,説明した方がよいのかどうか分からない」,「かわいそうでとても話せなかった」,「当時子どもは自分が被害者だと思い、 暗に母親を非難していたので、母親として感情的に安定できず話せなかった」等の迷いや悩みが語られ,説明することが簡単な問題ではないことが察しられます。
(3) 説明をした理由
 子どもの年齢が1歳から4歳までは,説明を受けた子,受けない子が同数ですが,6歳から10歳では79%が受けており,11歳から15歳では86%が受けています。 小学校入学頃からはほとんどの子が説明を受けていることになりますが,これは転校を伴うことが多いという実情からもきているのでしょう。
説明は、ほとんどが離婚後一緒に暮らす親(監護者)から受けていますが、中には両親が同席して説明をしている場合もあります。
(4) 説明の内容の例

  • 「ママとパパは喧嘩したんだけど,お互いに『ごめんね』ができなくなっちゃった(3歳女)」
  • 「お父さんとお母さんは仲直りできないので,別々に暮らすことになった。でも,君のお父さんとお母さんであることはずっと変わらないし,お父さんもお母さんも君のことが大好きだよと言い聞かせた(7歳男)」
  • 「事実を淡々と話し,父親の全てが悪いのではなく,暴力を止められなかったことが一緒に暮らせない理由だと話した(8歳女,11歳男)」
(4) 説明に対する子どもの反応
  • 「何も言わなかった。母への遠慮か,言ってはいけないと思ったのか,態度にも言葉にも出さなかった(3歳女,6歳男)」
  • 「毎日父の暴力、暴言を目にしていたので、さほど驚いてはいなかった(6歳女)」
  • 「大粒の涙を流して『嫌だ』と言って泣いた」(8歳女,9歳女)
  • 「パパもママも好きだからどちらも選べない,一緒に暮らせないのと泣いた」(6歳男)
  • 「知らなかった,聞きたくないと言い,心因性の視聴覚障害が発症,遺尿, 夜尿などの退行現象が生じた」(8歳女)
  • 「パパがかわいそうと言った(6歳女)」
  • 「自我が芽生えてから『大人の勝手で離婚して,そのしわ寄せを子どもに向けるな』,『離婚して家計が苦しい状況なんて理解したくない,好き好んでこんな生活している訳でもない、普通の生活をさせてくれ』と言った(離婚時3歳,現在11歳女)」

 子どもたちの反応は,表面上淡々としていた子,泣いて表現した子,心身に反応が出た子,状況を受け入れた子,受け入れられない子と様々です。
 泣いた場合も,悲しくて泣いたり,抗議的な意味で泣いたりと複雑な気持ちの反映と思われますが,涙の裏に秘めた思いを察すると胸が痛む思いです。
泣いた子の年齢も3才から19歳にわたっています。離婚を受け入れた子は3歳からおり、また受け入れられない子は3歳でもはっきりと自分の意見を述べています。

2 子どもの声から

(1) 親からの説明の有無と内容
 親の離婚を経験した子どもの回答者96人のうち,「親から説明があった」が70人(73%) (ちなみに親の回答では子どもに話したが71%),「親以外(祖父母・親戚等)から説明があった」が7人(7%),「説明を受けなかった」は17人(18%)となっています。
 説明の内容は,「お父さんとお母さんは一緒に暮らせなくなった」,「ずっと別居していたけれど,正式に離婚することにした」というような離婚の事実を淡々と伝える説明が27例, 「お父さんが借金を繰り返した」,「お母さんに好きな人ができた」といった離婚原因(異性関係,借金,アルコール依存等)に踏み込んだ説明が22例ありました。
 その他,「お父さんとお母さんは離婚するけれど,子どもたちの親ということは変わらないからね」,「お父さんは出て行くけれど,ずっとお前たちのお父さんだから」といった例などです。
(2) 離婚の説明についての子どもの意見
 離婚の説明についての意見は27例あり,その内容は「親は離婚の説明をきちんと子どもにすべきである」ということに集約できます。 説明を受けなかった人だけではなく,説明を受けた人であっても,十分に説明がなされていないと感じている人は少なくないようです。 具体的に見てみましょう。

  • 「離婚の理由はどうでもよい。親が子に対してどう責任をとってくれるのか伝えてほしい(離婚時6歳,現在48歳女)」
  • 「家族だから分かるはずという思い込みは捨てて,親がどんなことを考えていてどうしたいか,子どもが何を考えているのか話し合ってほしい(離婚時11歳,現在23歳女)」
  • 「子どもの生活に影響を及ぼさないように離婚する時期を考え,その事情を分かりやすく説明してほしい(離婚時15歳,現在17歳女)」
  • 「どうして離婚したいかをきちんと説明してほしい。離婚後の住む場所や環境がどのように変わるのかを説明して安心させること(離婚時19歳,現在21歳女)」
 親が十分説明してくれたと感じている人からは,次のような意見が出ています。
  • 「4歳の子にも離婚の理由を説明してくれた。子どもだからという理由で説明を避けられたこともない。暗く悩まずにすんでいる(離婚時4歳,現在21歳女)」

 子どもの立場からすれば,親は離婚するに当たって,子どもが理解できるような説明を求められており,「子どもが小さいから説明をしなくてもよい」という考えは、受け入れられないのです。
(3) 離婚について子どもの意見を聞かれて
 96人の子どものうち,30人(31%)が離婚についての意見を聞かれていますが,注目されるのは,聞かれたか聞かれないかを問わず,そのときの自分の考えを伝えていないと思われる人が62人(65%)もいるということです。 離婚について意見を聞かれても,子どもにとっては答えにくいものであると思われます。「離婚の了解を子どもに求められても困る」という子どもも多いのではないかと推測されます。
 親の離婚に積極的に賛成した子どもは12人(13%)ですが,いずれも父母の著しい不和,アルコール依存,暴力,借金等に子ども自身も悩んでいたことが回答からうかがわれました。



  • 「『なぜ両親が一緒に暮らせないのか分からないし,私の知らないところで勝手に(私自身の転校を含めて)離婚することを決めたのは納得できない』ということを言おうとしたが, 言葉にしようとすると涙が出てきてうまく言えなかった(離婚時8歳,現在30歳女)」
  • 「何も言えなかった。自分の気持ちが分からなかった。学校で平常心でいることだけで精一杯だった(離婚時18歳,現在24歳女)」
  • 「今は学校という自分の生活場所があるから、絶対に引越ししたくないということを中心に話した(離婚時13歳,現在28歳女)」
  • 「親を見ていて,意見や反論が言える状況ではなかったので,従うしかないと思った(離婚時12歳,現在35歳女)」

(4) どちらの親と暮らしたいかと聞かれて
 どちらの親と暮らしたいかと聞かれた人は40人(42%),聞かれなかった人は51人(53%)です。 しかし,どちらの親と暮らしたいと意見を述べられたのは31人(32%),意見はあったが言えなかった人が29人(30%)で,意見そのものについて無回答だった人が36人(38%)もいます。 どちらかの親を選ぶというのは,子どもにとっては難問であり,答えにくいものであることの表れでしょう。

  • 「どちらの親と暮らしたいかという質問はとてもデリケートな問題で,そういう問いを突きつけること自体が,子どもを傷つけることになるのではないか、という気がする(離婚時8歳,現在30歳女)」
  • 「いやだったことは自分に選択権が与えられ,両親のどちらと住むかを選ばされたこと。当時の自分には負えないような責任を負わされた(離婚時16歳,現在23歳女)」


第2 離婚に対する評価

1 離婚が子どもにもたらす影響

(1) 親の声から

 親は,自分たちの離婚を子どもたちがどのように受けとめ,どのような体験をしていると認識しているのでしょうか(重複回答)。
ア 離婚してプラスになったこと・よかったこと
 子どもについては,精神的に安定し(31),不安な表情が消え(13),自立心が芽生え強くなり(13),無理しなくなった(8),チャレンジ精神が持てるようになり(3), 自尊心が出てきた(2)と見ています。
 他者との関係では優しくなった(5)と受け止め、家族については,母子関係が落着き(20),同胞が仲良くなり(4),父の暴力の心配がなくなった(3),母が子どもに当たらなくなった(2)と見ています。
 離婚するまで,子どもたちは父母の険悪な関係に巻き込まれ,無理をしていたのが,離婚により解放され,母子,父子関係が安定した結果でしょう。
 しかし,一方ではプラス面について「なし」(12),「分からない」(6),「無回答」(18)があることにも留意する必要があります。
イ 離婚してマイナスと思うこと・つらかったこと
 子どもについては,自尊心が低い(1),自殺した(1),友人関係については,人間不信になる(4),大人に依存的になる(2),人付き合いが下手になる(1)を挙げています。
 家庭関係については,両親が傍にいられない(15),経済的に苦しい(5),育児が放任傾向になる(5),親戚付き合いがなくなる(2)などを挙げています。
 社会関係については,世間の目が冷たい(5),改姓が嫌だった(1)などとなります。
 「なし」(10),「分からない」(8),「無回答」(22)で,無記入が多いことは,子どもへのマイナス面を見たくない,気が付かないということでしょうか。
 両親の険悪な関係から解放されたものの,一人親となり,仕事などが多忙となって,子どもに十分関わることができず,やや放任傾向になるとき,同居する親の方も, 両親が傍にいてやれないという罪悪感を持ってしまいがちです。別居した親の親戚との付き合いもなくなっていく様子などがうかがえます。

(2) 子どもの声から

 子どもたちは,親が離婚したことにより,その後の生活でどのようなプラスあるいはマイナスがあったと受けとめているのでしょうか。
ア 離婚してプラスになったこと・よかったこと
 多くの子どもたちは,離婚後は「家庭が明るくなった」,「母が殴られたりするのを見なくてすみ,安心して家に帰ることができるようになった」というように, 家庭が安全で、安心な場所になったことを挙げています。また,自分自身については「頑張った」,「強くなった」と述べ,「離婚家庭の子どもと後ろ指を指されないように」, 「母親に心配かけないように」と,逆境を乗り越えようと努めている姿が浮かんできます。他者との関係では「人の痛みや優しさを感じ取り,分かるようになった」, 「人生の意義を考えるようになった」など,人としての生き方やありようについて考えるようになったと述べ,成長の体験として受けとめていると言えます。
イ 離婚してマイナスと思うこと・つらかったこと
 親の離婚によるマイナスとして,不安・孤独・寂しさに苦しみ,苦しむ自分を責めて自己嫌悪に悩み,被害感に悩んでいることなどの訴えが多く述べられています。 無邪気さのない陰のある子になったり、殻に閉じこもったり、心身ともに疲れ、追いつめられ、精神的に不安定になって自殺を図ったり、精神科を受診し、治療を受けている人もいます。

  • 「羽が片方折れているような気持ちを抱えている(離婚時24歳,現在34歳)」
  • 「親の離婚は聖人していても悲しいことでした。夫婦が傷つけ合い、子どもに悪影響を与えるならば別れて暮らした方がいい場合もあるかもしれませんが、 子どもにとって親の離婚はそれ以上に心に深く傷つくことだと思います(離婚時24歳,現在34歳)」
  • 「親に心配かけないようにしっかりとしていい子を演じてきました。本当の弱い自分を異性に素直に見せることもできず,永遠に続くものはないと,一生結婚もせず,子どもも産まない人生を考えてきました。 別れてしまうのが怖かった。いずれは別れが来るものと決めつけていましたから・・・・(離婚時7歳,現在32歳)」
  • 「正直、社会の偏見はいまだにあります。自分の努力ではどうにもならないことであれこれ言われることは本当につらい。離婚というのは普通の家庭にはない、とても恥ずかしいことだと思っていたので、 正直に両親の離婚を話せず嘘をついてしまい,それが積み重なってくると嘘をついた罪悪感が増してとても苦痛だった(離婚時8歳,現在30歳)」

2 子どもは親の離婚をどのように受けとめているか

(1) 親の離婚についてどう考えているか
 離婚についての考え方が,離婚時と現在ではどのように変化しているかを比較すると,次の表のとおり,離婚当時は「離婚してほしくなかった」,「分からない」が合わせて49%であったのが, 現在では27%に減少し,現在の心境として「離婚は仕方なかった」,「離婚してよかった」と回答し,離婚を受け入れ,肯定している子どもは66%に達しています。



 この変化は,離婚当時のショック,これからどうなるかという不安な状態から,年月を経て家庭状況の変化や新しい環境にも適応し,善し悪しは別として現実を受け入れざるを得ない心境などによるものでしょう。
(2) 離婚した父親・母親に求めていること
 96人の子どものうち,離婚時の監護親は父親17人(18%),母親70人(73%),父母以外2人(2%),独立・成人7人(7%)で,大部分の子どもが母親と暮らしていたことを念頭に置いて, 親に何を求め,何をしてほしかったのかを見てみましょう。

ア 父親に求めていること
  • 養育費,学費等金銭的援助      19人(20%)
  • 面会交流など離婚後の関わり     15人(16%)
  • 愛してほしかった             11人(11%)
  • 離婚についての説明            6人(6%)
  • 父親の生き方,ありよう          6人(6%)
    弱音を吐かないで・借金をしないで・尊敬できる親でいて・寂しさに負けないでなど
  • 母親の悪口を言わないで         5人(5%)
  • その他                   34人(35%)
イ 母親に求めていること
  • 今のままで十分・よく頑張っている   15人(17%)
  • 母親の生き方,ありよう         13人(14%)
    しっかりして・投げやりなことを言わないで・子どもに罪悪感をもたないでなど
  • 愛情・やさしくして             10人(10%)
    やさしくして・甘えたかった・ストレスを子どもにぶつけないで・父親に似ていると責めないでなど
  • 離婚についての説明            6人(6%)
  • 父親の悪口を言わないで          5人(5%)
  • 父親との面会交流             4人(4%)
  • 再婚しないでほしかった           4人(4%)
  • その他                   48人(50%)

(3) 子どもは親の離婚をどのように乗り越えてきたか
 子どもたちは,先に見た離婚のマイナス面をどのように乗り越えてきたのでしょうか。

  • 自分で解決してきた           35人(36%)
    自分に言い聞かせた・胸の中に納めるようにした・日記を書いた・思いっきり泣いたなど
  • 同じ環境の友達と話した        15人(16%)
  • 心に封印して考えないようにした   12人(13%)
  • 祖父母,兄弟,恋人などと話した   10人(10%)
  • 部活,趣味などに打ち込んだ       7人(7%)
  • カウンセラー,精神科医の治療      5人(5%)
  • その他                   15人(16%)

第3 子どもの声が訴えているもの

1 子どもは苦痛を強いられる立場にありながら自分の気持ちを理解してもらっていない

 子どもの声からは,「離婚前には父母間の激しい闘争又は冷えきった雰囲気の中で,子どもは息を殺して推移を見守り,離婚になったら自分はどこで, 誰と暮らすことになるのだろうかと不安と緊張に包まれる。 離婚後は,別れて暮らす親の喪失感と悲哀感,激変する生活環境への不安感,世間の偏見と哀れみのまなざしを意識して友達にも本当のことが言えない寂しさ・孤独感に悩む」姿が浮かび上がります。 幼少期に親の離婚を経験し,今は高齢者になっている人の語るその後の苦渋の人生に胸を打たれました。さらに,これらの人に「今度の調査で初めて自分の胸のうちを聴いていただき,ありがとうございました」 と感謝されたときは,言葉を失いました。
 子どもたちが親に求めているのは,離婚する際には子どもに,なぜ離婚するのか,離婚したら生活環境がどう変わるのかなどを分かるように説明し,子どもの気持ちを十分聴いて, 配慮してほしいということです。さらに,友達などに話せない胸のうちを,気軽に聴いてくれるNPOなどの支援態勢を,早急に立ち上げてほしいと訴えているように感じました。

2 子どもはどちらの親からも愛されたい

 離婚原因が暴力,アルコール依存,借金等である場合は,子どもも離婚してよかった,離婚は仕方がなかったと受け入れる場合が多いのですが,基本的には両親の離婚を望んではいません。 別れて暮らす親への思いをあからさまに示すことはなくても,心の底ではどちらの親からも愛されたいと願っています。別れて暮らす親に対し,愛してほしい,優しくしてほしい, 誕生日,成人式,結婚式などにはおめでとうの電話か手紙がほしいと求め、親同士が相手の悪口を言わないでほしいと願っています。ここでは紹介しませんでしたが、 子どもにとっての心の支えである面会交流と経済的支えである養育費等の支払いは,親と子をつなぐ絆であることを忘れないでほしいものです。

3 子どもは親の離婚がもたらすマイナス面にもかかわらず、プラス面を杖に逆境を乗り越えるしなやかさも持っている

 子どもは,離婚直後に味わされる不安,孤独,寂しさ,自己嫌悪などに悩みながらも,自分をみつめ,頑張り,しだいに自分で解決していく力をつけ,社会経験を積むうちに, やがて離婚は仕方がなかったのだと自分に言い聞かせながら乗り越えようとするしなやかさも持っています。
 この調査に子どもの立場で協力した人たちに,今後親が離婚しようとしている子どもへのアドバイスをしてもらいました。自分の体験からにじみ出た子どもたちの叫びのような声をお聴きください。
自分自身について
 自分を卑下しない。一つの経験,ステップ,バネとして成長してほしい。自分の気持ちを大切にし、しっかり考え,強くなってほしい。自分の力を信じて,プラス志向で頑張ってほしい。
離婚について
 親の離婚は恥ずかしいことではない。離婚は親の問題であって子どもは悪くない。別れた方がいいこともある。いろいろな家庭,いろいろな人生があることを考えてほしい。
親について
 離婚しても父親・母親であることは変わらない。親を恨む気持ちが出てくるだろうが親を信じて乗り切ってほしい。親には親の人生があることを分かってほしい。 たとえ受け入れられなくても,粘り強く自分の意見や不満は親に伝えた方がいい。
悩みの解決について
 時間が解決してくれる。きっとよい日がくることを信じてほしい。苦しい思いをした分だけ自分で生きる力がつく。

 ホーム 業務内容 相談室 セミナー 講師派遣 ふぁみりお 出版物 情報公開 リンク
Copyright (C)2002 Family Problems Information Center
* 本ホームページの内容を無断で転載することを禁じます。